ユーロ/円相場は、1ユーロ=133~135円水準まで値位置を切り上げる展開になっている。9月19日には一時134.95円まで値位置を切り上げ、年初来高値を更新した。ただ、その後はドル/円相場の軟化もあって、やや上げ幅を削っており、上昇トレンドが本格化するにも至っていない。
引き続き、ユーロ圏経済に対する楽観ムードが、ユーロ相場を強力にサポートしている。9月のユーロ圏消費者信頼感指数は、前月の-15.6から-14.9まで改善し、11年7月以来の高水準を記録している。依然としてマイナス圏での推移になっているが、景況感の改善が着実に進んでいることが窺える。また、9月の独ZEW景況感指数は、期待指数が前月の42.0から49.6まで上昇し、10年4月以来の高水準を記録している。ユーロ圏がリセッションから徐々に脱し始める中、独仏などの債務問題の影響が軽微な国々がまずは本格的な成長路線に回帰しており、ユーロ圏経済に対する信認を取り戻している。今後も月末・月初にかけて重要指標の発表が相次ぐが、これらがユーロ圏経済の回復見通しを支持する内容になれば、ユーロ相場は素直に買われ易い地合が続く可能性が高い。改めて年初来高値を更新する可能性も十分にあるとみている。
欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は、必要であれば新たなファイナンスオペ(LTRO)を実施する容易があると表明した。ユーロ圏の景況感改善で短期金利が「妥当でない」水準まで上昇する中、余剰流動性の拡大を目指すものと見られる。足元ではポルトガル国債などの利回りに上昇圧力が見られる中、早めの政策対応は素直に評価でき、債務問題を起点としたユーロ相場のダウンサイドリスクを限定しよう。
テクニカルでは、一目均衡表の転換線(133.28円)前後を支持線に上値を切り上げる展開に。その下は基準線の132.12円、雲上限の129.93円と続く。サイコロジカルは、前週の6勝6敗から変化なし。14日RSIは58.65。